タイプII――装飾用アルマイト
タイプIIは母材の上に5〜25マイクロメートルの酸化アルミニウム層をつくります。この層は多孔質で――細い縦の管が並んでいると思ってください――だからこそどんな色の染料も受け入れます。黒、赤、青、金、指定のPantoneまで。染めたあとは熱水か酢酸ニッケルで孔を封じ、色を閉じ込めます。こうしてできるのは、滑らかで硬く、腐食にも強い装飾仕上げ。見た目に上質で、手にも確かな感触があります。
タイプIIは民生電子機器、光学機器の筐体、見栄えの要る治具、色で区別したい部品に。摺動面には使わないでください。層が薄く、いずれ擦り切れます。
タイプIII――硬質アルマイト
タイプIIIは25〜75マイクロメートル――規格によっては100まで――を積み、層はより緻密になります。仕上がりの硬さはおおむね軟鋼並み、換算で60〜70 HRCです。標準色は黒か濃灰色。緻密な層は染料をほとんど受けつけないからです。摺動部品、歯車の歯、エンジン部品など、機械的に摩耗するものに使ってください。
引き換えとして、タイプIIIは目に見えて肉を増やします。50マイクロメートルの層なら、寸法は片側あたり約25マイクロメートル増える計算です。公差の厳しい箇所は、処理の前に25〜50マイクロメートル小さめに削っておいてください。
お客様にお伝えしていること
部品が引き出しの中や机の上、あるいは筐体の内側で過ごすならタイプII。ほかの部品と擦れ合い、コンクリートに落ち、砥粒のような摩耗を受けるならタイプIII。装飾でありながら摩耗もするなら、黒のタイプIIIにして見た目は受け入れてください。見た目と機能を一つの仕上げで両立させたいなら、PVD被膜という手もあります。クロムや金の色合いで、タイプIII並みの耐摩耗性が得られます。
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